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「はい。成瀬です。」
『受付の藤森です。』
「え?何か予定あったっけ?」
『すみません。来客じゃないんです。ごめんなさい。他に頼める人がいなくて。…ゆいが…危ないかもしれないの!で、だから、部長を呼んで欲しいの!』
「おい。待てよ。ちょっと、落ちつけよ。」
『…あ、うん。ごめんなさい。部長を呼びたいんだけど連絡が取れなくて。私、ゆいのところに行くから、代わりに連絡付けてすぐに第二応接に来て欲しいの!部長は何かの会議みたい。でも、緊急なの!お願い!』
「わかったよ。」
『…あ、それから何か訳ありみたいだから…他の人には言わないで。ごめんなさい、だから経理の人にも頼めなくて。部長にはB社の原田専務が来てるって伝えて。』
「ん、わかった。切るぞ。」
『はい。』
藤森からの電話。
わけがわからないが、藤森の焦りようから、とにかく早く部長を呼んだ方がよさそうだった。
俺は席を立って、一度経理により、部長の居場所を確認して直接足を運んだ。
会議中に、それも俺の姿に部長は驚いていたけど、藤森に言われた通り、原田専務が来てると言ったら顔つきが変わった。
すぐさま、断りを入れて会議を抜け出し、走り出した。
いったい、何事なんだ?
俺は訳も分からず、
でも、
部長の後を追っていた。
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