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…え…!?
恐怖と驚きで顔が引きつる。
掴まれた腕を反射的にほどこうとしたけど、腕が動かせないほど原田専務は強い力で掴んでいた。
「離して下さい。私だけでは応対しかねますので、上の者を呼んで参ります。」
「やだ。用件は君にあるっていったじゃん。さすがにここで最後までとは言わないけど、途中までなら大丈夫でしょ。」
そう言って、私の腕を勢いよく引き、そのせいで私はバランスを崩して原田専務に体をぶつけながらソファに座る体勢にさせられた。
すぐに立ち上がろうとすると、両腕の自由が利かないように後ろからきつく抱きしめられ、完全に私は専務の体の中だった。
「やめて下さい!!」
「おっと、あんまり大声出したら周りに気付かれちゃうよ。美人秘書と取引先の役員が社内で密会なんて、俺は構わないけど、君、会社に居れなくなっちゃうんじゃない?」
そう言われて、口をつぐんでしまう私。
何が良くて、何がいけないのかよくわからなくなってきた。
「そう、おとなしくして。」
そう言いながら、原田専務の手がブラウスの上から私の胸に触れた。
恐怖で。
パニックで。
悔しくて。
涙が出た。
「…やめて…下さい。」
震える声で何とか絞り出す。
「やめない。君が欲しい。」
男の人の力がこんなに強いなんて。
振りほどこうともがくのに、一向に抜け出せない。
……部長は…ど…こ…?
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