誕生日の宣戦布告

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結局、部長と兄とのやり取りは見ることが出来なかった。 そのほうが良かったのかもしれない。 その場にいたらどんな反応していいかわからなかったし。 美穂さんたちがアパートを出ると、私の変な緊張もなくなった。 「秀一さん、兄とはどうでしたか?」 「どうって?ただの挨拶だ。それから涼太くんとゆいを頼むってさ。」 「…そうですか。」 私たちの会話中、私に抱かれた涼太はじーっと部長に視線を向けている。 こ、怖がってないよね!? 「涼太、秀一さんだよ。ゆいの仲良しだよ。」 「そうだ。ゆいの仲良しだぞ。」 部長が涼太に笑顔を向ける。 その笑顔に私がキュン。です。 涼太は笑った。 「シュウ。」 涼太は笑顔でそう言った。
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