誕生日の宣戦布告

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涼太はゆっくり眠ってくれて、目覚めた後は機嫌が良かった。 午後のおやつを済ませて遊んでいると、もうすぐ5時。 そろそろ兄たちが迎えに来る頃だ。 ピンポーン。 そのインターホンの音に安堵の息が漏れた。 涼太と共に玄関に行くと美穂さんの姿。 「涼太ー!!」 勢いよく涼太を抱き上げた美穂さんに涼太は少しはにかんだ笑顔を向けた。 「ゆいちゃんありがとう!あ、西島さんもありがとうございました!おかげで楽しかったわ!独身に戻ったみたいだったけど、やっぱ涼太が気になっちゃったんだけどね。」 その後、兄たちはお茶だけでもと誘ったけど、涼太の夕飯の時間なんかを気にして、お礼にとケーキを置いて帰って行った。 涼太が帰って静かになった部屋でソファに体を埋める。 「大丈夫か?」 「…はい。でも、会社にいるより何倍も疲れた気がします。」 「はは。俺もだ。ケーキ、今食べるか?」 「はい。体が甘いものを欲してます。」 「わかった。そしたら今日の夕飯は外で食べよう。」 その後のケーキで 「かわいい!」 「秀一さん!見て!!」 「ふわふわ!」 「やー!おいしい!」 と、完全復活を果たした私は、部長と夕飯を食べに出掛けた。 将来をちょっとだけ楽しみさせてくれた今日の一日パパとママ。 上手くいったって言えるよね?
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