誕生日の宣戦布告

19/35
前へ
/35ページ
次へ
そして、迎えた月曜日。 海の日。 祝日。 誕生日。 部長と会えるのは夕方から。 昨日電話があって、昼間は美咲と会うことになった。 誕生日のお祝いをしてくれるらしい。 ランチの前にちょこっとブラブラするので、約束は10時。 それまでに部屋の掃除なんかを済ませて家を出た。 「やっほー!こんな日に部長も接待なんて、かわいそうねー。一日中ゆいとべったりしてたいだろうに。」 「仕方ないよ。それに、私、部長に今日が誕生日だって言ってないし。」 「そ、そうなの。…何で言ってないの?」 「一緒にいられるだけで十分だもん。」 「な、ちょっと、そんな顔して言わないでよ。女の私がズキュンときちゃうわ。はいはい。お熱いことで。じゃ、昼間は私がたっぷりお祝いしてあげよう。」 「やったー!」 「行こっ!!」 美咲とのデートはいつも通り。 あっちにフラフラ。 こっちにブラブラ。 もうすぐ梅雨明けで本格的な夏がやって来る。 店に入るたびに、冷房が心地いい。 外に出るたび「暑いねー。」を繰り返す私たちだったけど、熱い割にはよく歩いて、何軒もはしゃいで見て回った。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2390人が本棚に入れています
本棚に追加