誕生日の宣戦布告

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楽しい食事が終わって、金井さんにお礼を言って、お店を後にした。 車に乗ると、一つ確認。 「秀一さん、今日は家に泊まれるんですか?」 「そうしようと思うが、いいか?」 「はい!」 「明日は初めてゆいのとこからの出勤だ。」 部長が途中でケーキを買っていこうと言ってくれたけど、美咲が今日買ってくれたことを話して、直接アパートへ帰った。 部屋に入ると、わずかにバラの香りが鼻をかすめる。 出掛ける前、ヨウちゃんからもらった花束をそのままにしていた。 部長がいるのに部屋に飾るのは気が引ける。 どうしようかと悩んでいると 部長が優しく声を掛けてくれた。 「俺のことは気にしなくていい。せっかくもらったんだ。幼馴染としての彼はゆいにとっては大切な存在なんだろ?」 その言葉に内心驚きながら部長を見るけど、優しい目をしていた。 「はい。飾らせてもらいます。」 私は包みをほどいて、それでもあまり目の付かないキッチンに飾った。 今はお腹がいっぱいなので、シャワーを浴びてからゆっくりケーキを食べようと、二人、それぞれにシャワーを浴びた。 それが終わると、コーヒーと紅茶をお気に入りのあのカップに用意して、ケーキを準備した。
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