誕生日の宣戦布告

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そして、私がママ役になる土曜がやって来た。 兄夫婦が涼太を送って来るまでもうすぐの頃。 インターホンを鳴らして先に到着したのは部長だった。 昨日、来てもらえるなら何時でもいいから、ゆっくり来るように言っておいたんだけど、部長らしくこの時間。 って、 あ、 それって、 つまり……、 兄夫婦と部長が顔を合わせるってこと!!? …そこまで考えてなかった。 そんなことが頭をかすめたものだから、部長が来てから私はそわそわしっぱなし。 「ゆい。どうしたんだ?」 「え!?あ、いえ?何でもないです!」 「そんな答え方して、何でもないわけないだろ。」 お見通し。 「あ、あの…もうすぐ兄夫婦が来ますけど、秀一さんと…顔を合わせることになりますよね?」 「そうだ。そのために早く来たんだ。ゆいの兄さんに挨拶出来るチャンスだからな。」 「え。…そうですか。」 部長、緊張とかしないのかな? 何だか、私の方が緊張してきた。 その時。 ピンポーン。 兄一家の到着だ。
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