急な訪問者

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ふと、目に留めたゆい先輩の手元。 キラキラと光っているようにさえ見える白いペン。 ゆい先輩にすごく似合ってって、遠目にも高級品ぽいなぁなんて思ってた。 私はゆい先輩に女としてすごく憧れているから、ゆい先輩の持ってる物とかにも興味が出ちゃう。 どんな物も素敵なものだから。 そんな、軽い気持ちでそのペンを見せてとお願いした。 ゆい先輩からボールペンを受け取り、綺麗だなぁと思いながらそれを回しながら全体をじっくりと見た。 見ながら、心臓がドキドキと音を立て始める。 私、このボールペン、色違いを見たことある。 え。 どうしてあの人とお揃い? そして見つけたイニシャル。  S ゆい先輩は上手く誤魔化してたつもりだろうけど、誤魔化すってことは、もしかして本当に? 『彼氏からのプレゼントですか?』 いつもの私なら何の迷いもなく、そう言う場面。 だけど、私は言えなかった。 …だって。 お揃いのペンを持っていたのは 部長だったから。
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