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金曜日。
受付。
受付のカウンターにアイツの姿を確認しながら、足を進める。
「お疲れ様です。」
始めに声を掛けてくれたのはアイツの方だった。
「お疲れ。今から急用で出るんだけど、3時にM社の佐藤さんと約束してんだ。帰って来るつもりだけど、間に合わなかったら越石に取り次いで。越石には言ってあるし。」
「わかりました。」
「じゃ。」
仕事上のやり取りだけをした後、少しだけそれを残念に思いながらカウンターを去ろうとすると、藤森から声を掛けてきた。
「成瀬さん。最近、帰り、遅いの?」
「あ?何で?」
「んー。何か顔色が。ちゃんと食べてる?」
「んー。あんまり。ここんとこ日付変わる日もあるし。食べるより寝たいし。」
「は?何それ?」
「しょうがねーだろ。」
「明日は仕事?」
「そ、定時くらいには上がりたいけど。」
そこまで話して、会話が長引いたことに嬉しくなってしまった馬鹿な俺。
けれど、次の瞬間、衝撃を受けることになる。
「なら、明日、一緒にご飯食べよ。」
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