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汗にまみれた俺たちは、もう一度シャワーを浴びて、眠りについた。
今日という特別な一日を共に過ごし、
明日という日を特別な一日にするために。
ゆいと共にいられることに、心からの幸せを感じながらゆいをこの腕に抱いて眠った。
「おはようございます。」
「おはよう。」
俺が寝室から出て行くと、ゆいは既に朝食を作っていた。
キッチンでゆいにキスをしてから、顔を洗い、身支度をし始める。
「いただきます。」
「いただきます。」
手を合わせて重なった言葉に、今日という日の幸福を味わう。
会社になど行きたくないなんて子供染みたことも頭をよぎるが、言葉にはしなかった。
一緒に出社しようと言ったが、ゆいは電車で行くときかないので、ゆいを駅まで送った。
車を降りる時、
「いってきます。」
と俺に笑顔を向けた後、
「秀一さんもいってらっしゃい。」
さらに目を細めてゆいが言った。
ゆいが車のドアを閉めた後、
「いってきます。」
俺はアクセルを踏み込んだ。
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