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しばらくして、一度ゆいにシャワーを浴びさせてから、一緒に俺の家へ向かった。
もう時刻は遅かったが、連れて帰ることにした。
ゆいもそれを望んでいる気がした。
車を運転している最中も、ゆいは俺の手を欲しがって、俺は慣れない左手で運転をした。
いつもなら、ただ顔を緩めていただろうその仕草も、
今日はただただ、俺の心を痛いほど切なく締め付けていた。
家に着くと、ゆいを先にベッドに寝かしてから、シャワーを浴びて寝る支度をした。
ベッドに入る頃にはとっくに日付が変わっていたが、ゆいは寝ないで俺を待っていた。
隣に横たわる俺に体を寄せて、俺の胸に顔を埋めた。
俺以外の男のために流す涙を
今日は嫌だと思わなかった。
今日はアイツのために泣いたとしても、
明日からは俺のために笑って欲しい。
しばらく俺の胸はゆいの涙で濡れていたが、
俺のTシャツを握りしめたまま、ゆいは眠りに落ちていった。
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