守りたいもの

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…なんで、俺!? 「…成瀬さん、満腹になったらいつもみたいに元気になるって、"いつも"って?」 「はあ?いちいち、つっかかってくんな。行くぞ。」 「待って下さいよ。ご飯一緒に食べてるみたいじゃないですか?」 「ちげーよ。聞いたんだよ。聞いたの。彼女、食べるの好きで、食べた後ご機嫌なんだってさ。」 そう言いながら自動ドアを通り抜けた。 ロビーの空調が心地いい。 体が瞬時に涼しくなる。 「聞いたって、誰にですか?」 …まだ、続くのかよ。 その時、受付に藤森を見つける。 俺たちの明るい雰囲気にプレゼンの結果も察したようだった。 俺はアイツにニヤリと笑顔をつくる。 どうだ。 見たか。 それと同時にいいことを思いついた。 受付カウンターに近づく。 「うるせーな。こいつから聞いたんだよ。藤森に。こいつ室井と仲いいだろ?で、こいつに聞いたの。 俺、コイツとは仲いいから。」 「そうですか…。」 「何が?何の話?はい?」 あー。 気分いい。 午後の仕事もチャチャッと片付けちまおうっと。
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