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残業時間。
経理部。
カチャカチャカチャカチャ…。
必死でキーボード叩いてます。
今日は本当に忙しかった。
どこに移動するにも小走りで、慣れないヒールの高さにも疲れてしまった。
けど、支払いのデータをなんとかしなくちゃ。
7時半に琴ちゃんが帰る前、みんなの分のコーヒーを入れてくれた。
「ゆい先輩、今日は大変でしたね。でも、食堂での姿とかカッコよかったです!!今日でまた、ファン増えましたよ!!」
「え、そうなの!?」
池口さんが身を乗り出した。
「女子ですよ。女子。ゆい先輩、女子の憧れですから。」
「そ、そっか。」
そして、池口さんはコーヒーに口を付けた。
「琴ちゃんもありがとう。私がいない間に、すごく進めておいてくれたんだね。おかげでもうすぐ仕上がりそう。訂正するところもほとんどなかったしね。」
「う、嬉しいです。わからないとこは池口さんや部長に聞いたりしたんですけど。」
私が池口さんにも笑顔を向けると、池口さんがなぜか少し照れていた気がした。
そして、部長にも目を向けると、優しい表情で少しだけ頷いてくれた気がした。
助け合える仲間。
信頼できる上司。
やっぱ、私、ここが好きだな。
私は今日の自分の言葉を、
今更ながら実感していた。
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