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週明けの月曜日。
「おっはようございます!!」
琴ちゃんはいつも通りの琴ちゃんだった。
美咲に会って、お祭りの日のことが話題になったけど、
「アイツってば、手ぶらで来たんだよ!!ホントに財布持ってなかったし!!信じらんない!!しかもホントに言いたい放題言ってさ!」
相変わらずの美咲だったけど、最後にはこう付け足していた。
「…でも、すごく楽しかったよ。」
だから私はにっこり笑ってこう返す。
「よかったね。」
美咲も笑った。
もうすぐ、お盆休みに入る。
もちろんその間も休日出勤はあるけれど、私は美咲との予定、部長との予定、連休のスケジュールはいっぱいになっていた。
毎日の残業も全く苦にならず、浮足立っていた夏。
こんな楽しい季節なら、ずっと続けばいいなんて思ってたのに、
そんな何もかもが輝いて見えるほどの楽しい夏に陰りが見え始めるなんて…
この時は
…全く思いもしなかった。
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