2106人が本棚に入れています
本棚に追加
お昼間近。
私が昼食の用意をしようと思ってキッチンに立つと、美咲が寄ってきた。
「飲み物なら、冷蔵庫から勝手に出してね。」
「違うよ。私も…手伝おう…かな。」
「んふふ。」
「だから、その顔やめてって。本気で怖いわ。」
「はい。はい。じゃ、お手伝いよろしく。美咲がお手伝いなんて感心。感心。」
「な。今日のゆい、怖い。」
お昼はゆい風炒め野菜の冷やし中華と簡単なスープにした。
生野菜に替えて、ズッキーニや人参を細切りにして、もやしと一緒に炒めたものをのせるの。それに卵と焼き豚。タレは特製手作りタレ。
「ゆいー!!サイコー!!美味しい!タレのお酢がきいてていい感じー!!」
「美咲の麺のゆで加減もちょうどいいね。」
「…それ、褒めてんの?」
「もちろん!美咲が一緒にキッチンに立ってくれるだけで褒めたい気分だよ。」
楽しかった。
女同士のまったりとした時間が、外の暑さから隔てられた心地いい部屋の中でゆっくりと流れていた。
最初のコメントを投稿しよう!