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…その後、どうやって食堂から事務所まで戻ってきたのかわからない。
あんな発言をみんなの前でしてしまって、あの時から顔が火照ったまま戻らない。
食堂を出て逃げ込むように戻った事務所では先に来ていた琴ちゃんに笑顔で迎えられえた。
「…ゆい先輩、カッコよかったですよ。…部長も。」
「…あ、うん、…ありがとう。自分でもびっくりしてるんだけどね。」
まだ、心臓がドキドキしていた。
私たちの会話の後に事務所に入ってきた池口さんは、私には何も言わなかったけど、どこかぎこちなくて、
食堂でのことを知っているんだろうと思った。
その後、部長も揃って4人でのいつも通りの時間が流れる。
9月月初。
月末締めの忙しさがまるでお昼休みの出来事がなかったかのように、私を仕事に集中させる。
時折、部長が咳払いをする度に部長に目を向けて、体調を心配したけど、
その度に部長も私と目を合わせ、小さく頷いて『大丈夫。』と伝えていた。
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