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俺は成瀬が来るまでに、一度車を停め直して部屋に戻った。
部屋着を着替え、ゆいに羽織らせる大振りのバスタオルを一枚持った。
鼻詰まりは相変わらず酷かったが、咳も出始め、熱があるのか頭痛もしていた。
もう一度水を飲もうとキッチンに立つと、
ゆいが酒を飲んだグラスが流しに転がっていた。
黄色い液が残るグラス。
…ブランデーか。
ダイニングテーブルの上の
ゆいが飾った小さな白い花と
何もかもをメチャクチャにした黒い手帳が
俺にオセロゲームを思い起こさせた。
俺は慌ててテーブルに近づくと、
手帳を壁に投げつけた。
ゆいを取り戻す。
俺は成瀬を待つために、エレベータに乗り込んだ。
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