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…ゆいは来てくれるんだろうか。
俺はベッドではなく、ソファに身を横たえていた。
定時にゆい帰れと言われた時、一緒に帰りたいと思った俺に二時間残業すると言ったゆい。
少し強気な視線の後に、優しい眼差しを向けてくれた。
今日はここに来てくれると解釈したが…。
ゆいが来るまで起きていたくて、…ベッドに入ったら寝入ってしまいそうでソファにいることにした。
ボーっとした頭でゆいの帰りだけを待ち望んでいると、携帯が震える。
ゆいからのメッセージ。
『今から帰ります。ちゃんと横になってて下さいね。何か欲しいものはありますか?』
俺は嬉しくなって寝ころんだまま携帯をかざし、短い文を打つ。
『ゆいが欲しい。待ってる。』
送信した後すぐに返事が届く。
『…大人しくしてなさい。』
ゆいの帰りが待ち遠しくて仕方なかった。
ゆいがここに"帰る"と表現することが俺の心をくすぐる。
俺は最近のごたごたでより強く思うようになっていた。
早くここで一緒に暮らしたいと。
ゆいが来てくれるとわかっただけで体が楽になった気がした。
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