約束

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今日からは部長との関係を噂されることは覚悟していた。 でも、どんな噂にも負けたりしない。 部長との噂なんだもん。 いつも部長は側にいてくれる。 絶対、 負けたりしない。 私は決意と祈りを込めて、部長からもらった白いボールペンに、おまじないするみたいにキスをした。 月初の忙しさ。 通常の業務。 普段と変わらない来客。 変わらない事務所。 「室井さん、C社の分、午前中に入力出来る?」 「ゆい先輩、これでいいんですっけ?」 「室井君、これ、今日中にまとめられるか?」 何も。 何も変わらなかった。 2、3日の間、 覚悟していた噂は、ほとんど私の耳には入って来なかった。 聞きたくない噂は耳を塞いでもあんなにも私を取り巻いていたのに。 …まあ、噂は本人を避けてされるものだから、私の耳に入らないもの当然と言えば…当然かな。 あ、でもこんな噂は耳にした。 『森田部長が室井に振られた。』 森田部長… ごめんなさい。
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