約束

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土曜日の休日出勤を避けるため、今週は遅くまで残業した。 そして、土曜日。 部長は午前中に何かのセミナーに出席すると聞いていた。 私は自分の部屋の掃除や洗濯を済まして、出掛ける準備をする。 美咲とランチをしてから買い物をして、そのまま一緒に部長のマンションに行くことにしていた。 ランチは新鮮野菜のサラダバーが売りのオーガニックレストラン。 二人とも種類の違うパスタを頼んで、サラダバーを満喫した。 野菜の種類も豊富だけど、ドレッシングも充実してて、野菜でお腹がいっぱいになった。 その間に今日の夕飯のメニューの相談もする。 「今日は成瀬さんのお祝いも兼ねてるから、手巻き寿司でどうかな?」 「うん。いいね!!大勢だから出来るメニューだしね!そろそろ、買い物行こっか!」 「うん。」 私たちは店を出て買い物に向かった。 車じゃないから二人で分担して持たなきゃいけない。 何か所も寄り道して、持って来たエコバックももういっぱいだった。 重い荷物を抱えて部長のマンションに到着した。 「…余分な物まで買い過ぎたかもね。」 「…ホント。腕痛いわ。」 荷物を下ろして、二人で腕をブンブン振った。 「てかさ、ゆい、部長と一緒にここに住めばいいのに。」 「…うーん。そうかなあ?まだ、早い気がするけど。」 そう言いながら私は脱衣所に入り、洗濯機のスイッチを入れた。 「早くないよ。…部長は一緒に住みたいどころか、早く結婚したいかもね。イシシ。」 「…そんなの…わかんないよ。」 「キャハハ。私にはわかるわ。」 「美咲は?成瀬さんとどうなってんの?」 「ええ!?え?何で?何も、どうにもなってないよ!?」 「…ふーん。そうなんだ。」 「あ、またゆいらしくない。」 「そんなことないよーだ。」 二人で荷物を仕分けながら、女同士の会話が面白い。 「とりあえず、お茶でも飲もっか。」 グラスにカラカラと氷を入れた時 インターホンが鳴った。
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