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みんなでリビングに移動すると、父と部長がソファに座り、私と母でケーキの準備をする。
「ゆい。これ、お父さんがゆいのためにって、昨日買って来てくれたのよ。今日のケーキにも合いそうね。」
そう言って私に見せてくれたのは小さな紅茶のパッケージ。
「…嘘…。」
思わず呟いてしまったその訳は
手にした紅茶のラベルに驚いてしまったから。
『ハニーストロベリー』
先日、部長が買ってきてくれたのと全く同じものだった。
私はその奇跡のような偶然に、すごく嬉しくなって、興奮してしまい、たちまちいつもの自分に戻ってしまう。
「お父さん!!秀一さん!!これってすごい!!」
私が興奮気味に説明すると、離れたソファで父と部長も驚いて、その後笑った。
「お父さんと秀一さん、案外気が合ったりして。」
母はそう言いながらケーキを冷蔵庫から取り出し、それを私が切り分けた。
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