2163人が本棚に入れています
本棚に追加
「いただきまーす!」
「…ん。美味しいな。」
父が言った。
「…むふ。そうでしょ!?お父さんの一番厚く切ったからね。」
「…そうか?ゆいの方が厚く見える気がするな。」
「むふ。…バレた?」
ケーキを食べている間は、とても和やかな雰囲気だった。
「西島さん。ゆいは甘いものに目がないでしょう?…そんなとこだけは私に似てる。」
父の柔らかい笑顔が心底嬉しかった。
その笑顔を部長に向けてくれることが。
「…お父さん。この紅茶…すごく美味しいね。」
私はまた熱いものが込み上げてくるのを、紅茶と一緒に飲み込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!