決意

11/32
前へ
/32ページ
次へ
「いただきまーす!」 「…ん。美味しいな。」 父が言った。 「…むふ。そうでしょ!?お父さんの一番厚く切ったからね。」 「…そうか?ゆいの方が厚く見える気がするな。」 「むふ。…バレた?」 ケーキを食べている間は、とても和やかな雰囲気だった。 「西島さん。ゆいは甘いものに目がないでしょう?…そんなとこだけは私に似てる。」 父の柔らかい笑顔が心底嬉しかった。 その笑顔を部長に向けてくれることが。 「…お父さん。この紅茶…すごく美味しいね。」 私はまた熱いものが込み上げてくるのを、紅茶と一緒に飲み込んだ。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2163人が本棚に入れています
本棚に追加