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実のところ、本当に疲れたが、ゆいが帰ってから俺を労ってくれるらしい。
そう思うだけで体が軽くなる。
俺が体を起して車を出そうとするとゆいが遠慮がちに言った。
「…秀一さん、疲れてるところ悪いんですけど、夕飯がてら美月さんのところに行きませんか?」
「…美月?まあ、どこかで飯は食わなきゃならないからそこでもいいが、何かあるのか?」
「…はい。…あの、秀一さんが私の両親に挨拶してくれたみたいに、私も美月さんに挨拶したいんです。…一緒に暮らすことも認めて欲しいです。」
「挨拶するまでもないだろう?」
「…でも…私のけじめです。」
「…そうか。なら、行こう。」
ゆいの言葉に心が揺さぶられる。
…私のけじめ…か。
俺はゆいの言う通り、美月に車を走らせた。
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