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「何でお前がここに来るんだよ?」
部長は相変わらず森田部長に冷たい。
…仲はいいはずなのに。
「何ー!?ここはお前のとこじゃなくて、美月さんの店だろが?休日出勤を終えて、俺だって安らぎを求めたいわけ。…全く、相変わらず、西島ちゃんは冷たいねえ。…俺、一応恩人でしょ?」
「…そうですよ!秀一さん、そんな言い方ダメですよ。…森田部長、この間はすみませんでした。みんなの前であんな風に辛い役目をかって出てもらって…。」
「…はは。おかげで俺、室井に振られたことになってるし。西島とやり合うなんて馬鹿とまで言われちゃってんの。ははは。」
「…すみません。」
そこまで言って美月さんが加わる。
「秀一とゆいちゃんのために何かあったの?」
「…そうなんです。私と秀一さんのために…。」
私が簡単に説明すると、美月さんが森田部長に謝った。
「まあ、森田さん。申し訳ありません。まったく、秀一ったらそれなのにそんな態度なの?」
ああ、美月さん。
完全にお姉さんモードになってる。
「まあまあ、美月さん。俺とコイツの仲ですから。コイツためなら一肌でも二肌でも脱ぎますよ。」
森田部長の態度がいつもと少しいがうことに驚いた。
…いつもはもっと…何と言うか…
美月さんも森田部長に笑顔で返した。
「今日は私がご馳走しますから、たくさん召し上がって下さいね。」
「そんな気は使わないで下さい。」
二人の話す様子は何だかとても自然で、森田部長は何度も来てるのかな…と思っていた。
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