決意

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父が驚いたのにも部長は怯(ヒル)まなかった。 「はい。私は彼女の上司でもあります。毎日仕事からは早く帰してやりたいとは思うものの、実際は残業を強いてしまう毎日です。私も彼女が心配なんです。私のマンションはセキュリティも万全ですし、住んでいるのはほとんどが世帯持ちです。一緒に暮らせるのなら、私も安心して仕事に打ち込めます。」 「お父さん、お願い。そうすればご飯も作ってあげられるし…ご飯をしっかり食べなきゃ…お父さんだってわかるでしょ?それに…秀一さんは私をちゃんと…守ってくれるから…。」 「お願いします。」 「お願いします。」 二人で頭を下げた。 「…ゆいのアパートはどうするんだ?」 「…アパートは解約手続きをさせて頂きます。…それが私の決意と受け取って頂いて構いません。 ゆいさんのことも、ゆいさんの帰る場所も、私が必ず守ります。」 …部長…。 父は母と顔を合わせて、小さく息をついた。 「…わかった。…ゆい。西島さんに迷惑掛けるんじゃないぞ。」 そう言って今度は大きく息を吐いた。
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