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「…え。」
その視線に縛られるのを感じながら、…でも、何とかかわそうと試みる。
「…秀一さん、子供みたい。」
私は部長の正面から上着に手を掛けた。
ベッドの上で膝立ちになる私の胸元が部長の顔の位置に来て、かわすつもりが自分から罠にかかってしまったような気がした。
上着からするりと腕を抜いた部長はその腕で私を抱き寄せた。
部長が私の胸に顔を埋める。
そんなことしたら…私の早まった鼓動が聞こえてしまうのに。
「…し、秀一…さん。上着、掛けないと…。シワが…。」
「…どうでもいい。こっちが先だ。」
部長は私の手から上着を奪い取って、それを近くのソファに放り投げた。
「…秀一さん、お風呂は?お風呂もうすぐ入れるんじゃないですか?…見てきますね。」
「じゃあ、風呂でするか?」
「な。…何を!?」
「…いいこと。」
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