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服を身につけて座り直すと、テーブルの上のキャンドルが少し小さくなって、その分炎が大きくなっていた。
そのろうそくを見つめながらぼんやりと考えていた。
…今日は、美咲の誕生日。
美咲も成瀬さんと楽しい夜を過ごしているはず。
私が美咲にプレゼントしたもの…それは…
キャンドル。
ちゃんとキャンドルホルダーもセットにした。
あの日、雑貨屋でたまたま目にしたアロマやキャンドルのコーナーで、私はすごい偶然に出会っていた。
一つ手にしたキャンドルに
『彼との甘い時間をさらに甘く』
『彼女との熱い夜をより熱く』
そんな謳(ウタ)い文句が並んでいたから。
私の誕生日に美咲がしてくれたように、私もそれを包装してもらって、帰りがけに美咲に渡した。
『夕飯の後に開けるといいかも。』
その一言を添えて。
ねえ、美咲。
そのキャンドルを買うの…すごく勇気が要(イ)ったんだよ。
…ドキドキしたよ。
でもね、
キャンドルの効果が抜群にあることは、
もう、私が立証済みなの。
…美咲、誕生日おめでとう。
素敵な夜を過ごせますように…。
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