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師走という通り、12月をそのまま駆け足で駆け抜け、私たちは新年を迎えた。
1月の半ばに美月さんと私の家族を交えた顔合わせの食事会を開き、結婚に向けての具体的な話が始まった。
父は結納のような堅苦しいことはしなくていいと言ってくれた。私たち二人の意思が固まっていれば問題ないと。
それは両親の亡くなっている部長への父なりの配慮だと思うけれど、(…金銭的には…何も問題はないと思うんだけどね…。)、私の家族が部長を大切に思ってくれるのは本当に嬉しかった。
私たちの式は…春。
4月になって入籍とともに親しい人だけを招いたささやかな式を挙げることになった。
会社でも戸田社長には私たちが正式に婚約したことを報告させてもらった。
部長と私は相変わらず仕事が忙しかったから、式場との打ち合わせなどが大変だったけれど、私と自分のために、部長もわずかな時間でも協力してくれた。
一月、二月と真冬の寒さに身が縮む中、
私たちの心は浮かれ、
人生で最高のイベントに向けて
春へのカウントダウンが始まっていた。
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