最高の贈り物

26/28
前へ
/33ページ
次へ
そして、春。 街の周りに新しい若い緑が色付くようになり、私の大好きな…部長も好きな桜の蕾(ツボミ)が膨らみかけた頃。 4月1日。 私と部長は入籍した。 私は "西島 ゆい" になった。 その名前はとてもくすぐったくって 少し恥ずかしくって でも、とっても嬉しかった。 私は一年前のことを思い出していた。 思えば、部長と私が付き合うきっかけになったあの桜並木の中での部長の告白。 『…室井 ゆい。…お前を俺にくれないか?』 あの言葉は、もうプロポーズだったんじゃないかと思うほど、私と部長の心はあの瞬間からしっかりと結びついていたんだと思う。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2154人が本棚に入れています
本棚に追加