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そして、この週の週末、土曜日。
私たちは式を挙げた。
小さくも、幸せに満ちたすばらしい式だった。
私にとって、この日は一生忘れられない日になった。
父と歩いたバージンロード。
幼かった頃の記憶が走馬燈のように頭の中を駆け巡り、あの短い何メートルかの距離が、私の人生そのもののように思えた。
父や母、兄たち家族に囲まれて歩んできた人生に、そのバージンロードの脇に立つ私の大切な親友や仲間。全ての人に支えられ、歩んできたその先に私を待つのは
人生の伴侶となる
秀一さん。
父の腕に触れる自分の手の震えと、今にも溢れそうな涙を堪えて、
秀一さんの手にその手を重ねる。
その上から一瞬重なった父の手が離れる瞬間、
自分が西島 ゆいになったことを実感した。
誓いの言葉を交わし、指輪を交換すると、部長と私の人生が交わり、一つになった。
私たちを支えてくれるみんなの前での誓いのキスは
私たちの愛が本物であることを
みんなに知らせた。
私たちの気持ちは
紛れもない本物。
私が部長を想う気持ちは…
…愛おしさを超えていた。
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