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畑で野菜を育てたり、小さな田んぼで稲作をしたりする農家を、一人で営むその年寄りは、アメを見てすぐに、菩薩のような笑顔で、慈悲深く迎え入れた。
年寄りの農夫はアメが来ると、すぐに恵みの雨が降りだすことに気付いて、アメの来訪をいつも出迎えてくれるようになっていたのだ。
昨年の初夏、梅雨の時期にも満足には雨が降らず、日照りが続いて困っていた時期に、やっと降り出した雨の中、見知らぬ男が一人、傘もささず、寂しそうに農夫が所有している田んぼの畔道に座り、ぼうっと景色を眺めているのを、この年寄りの農夫が見つけて、アメを雨宿りに自宅へと誘ったのがきっかけだった。
言葉少ないアメに、勘のいい年寄りは黙ってお茶を出したり、乾いた手拭いを渡したり、座卓に二人分の食事を並べたりした。
そしてついにはいっそ、泊まっていってほしいと言い出し、びしょ濡れだったアメに、乾いた布団をすすめてくれたのだ。
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