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「…シスターフィオナ、大丈夫かね?」
「ええ…。」
「とりあえず、急ごう。泣いていた子供たちも心配だ。」
グランバニエルは、走って孤児たちの寝室に向かう。
寝室に近づくに連れて、子供達の鳴き声や叫び声が聞こえる。
きっと、燃え尽きるまでをみてしまったのだろう。横を見ると、フィオナも、心配そうにこちらを見る。
子供達の寝室に入ると、やはり火は消えており、毛布の上に金色の灰が残っているばかりだった。
「シスターフィオナ、とりあえず子供達を一回の食堂へ連れて行きまっていなさい。」
「はい。ほら、みんないくよ。ミーナ、泣かないで。ルッツ、吐いちゃったのね。いいわ、気にしなくていいから食堂にいこう。」
そういって、五人ばかりの孤児たちを、誘導する。
フィオナが、孤児たちを連れて行った後に毛布に残った灰をかき集める。
「まさか、こんなことになろうとはな…。」
目の前の灰をみるたびに、先ほどのことが現実だったのか疑わしくなる。
神…マナナーン・マックリール。まさか、話すことが叶おうとはゆめにもおもわなかった。
灰をかき集めたあと、グランバニエルは下の階で待つ子供達の元へと向かう。
グランバニエルが、来た時には孤児達は落ち着きを取り戻していた。どうやら、フィオナが良くやってくれたらしい。
「子供達…。あの、ようなことを目の前にして、すこし気分が悪くなったものがいるやもしれん。だが、子供達。君たちは幸運だ。あの子は燃えたのではなく、生まれ変わったのだ。」
子供達は、不審そうな顔をする。
「あの子は、神様になったのだ。その証拠に、あの子は燃えていてもぜんぜん辛そうじゃなかっただろう?」
優しい口調で表情を作りながらなるべく子供達が恐る状況を作らないようにする。
すると、不意に一人の女の子が口を開く。
「だから、金色に燃えていたの?」
それは、子供達の中で一番臆病な子のルナだった。
「ああ、そうだ。そう、だからあの子は燃えていたんじゃない。神様になったんだ。ミーナ、そんな顔してると、笑われちゃうぞ」
「うん…。わかった。」
と、上がる返信をしてくれる。どうやら、うまく誤魔化せたようだ。あの子たちの、悲しむ顔は見たくない。
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