目覚め

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そして、ミーナが元気を取り戻すと周りの子供たちも、そうだよねと、納得しだす。 「よし、わかったら今日はお父さんの部屋で寝よう。」 そして、その後が肝心だ。子供達がまた泣き出してしまうかもしれないし心のケアも必要だ。 「フィオナお姉ちゃんは?」 と、ルッツが聞く。 「ええ、もちろん一緒に寝ますよ。」 やったー。と子供達は嬉しそうに言う。 「ああ、だけどフィオナはすこしやることがあるんだ。だから、みんなは先に行っていなさい。」 はーい。と、みんなは口々にいう。だが、一番年上のアイナが近寄ってくる。 「お父さん、さっきの話本当に本当?嘘ついてない?」 そう不安げにきいてくる、アイナをグランバニエルは強く抱きしめた。 「本当さ。お父さんが今までに嘘をついたことがあったかい?」 「ううん…。」 「じゃあ、安心して眠りなさい。」 安心出来るように頭を撫でる、 「うん。わかった。」 最後に、抱きしめる手にギュッと、力を入れてアイナは去って行った。 「さて、フィオナ。どうするのだ?」 2人しかいなくなった、部屋は声が響く。なるべく、子供達に聞こえないように扉をしめる。 「私の言葉に嘘はありません。それが神の御意志ならばその運命にしたがいます。」 「…。ああ、わかった。灰はここにある。あとは、頼む。」 そういって、布にくるまれた灰をだす。どうやら、毛布から飲みやすいように布に移し替えてくれたようだ。 「はい。あの…。」 「ん、なんだ?」 不安そうな、顔をこちらに向ける。 「もし、子供ができたら育ててくださいますか?」 「父として、全力をつくそう。」 「ありがとうございます。」 彼女は、涙ながらにそう言った。 今夜は、満月。 神が、現れるにたる夜だった。
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