切な過ぎる立場

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込み上げてくる悲しさに堪え切れず…… 鼻の奥がつんとして目が潤んでしまう。 溢れそうな涙を止めようとしても、感情は意志の命令を聞かない。 流司が呆れた顔で溜息をつく。 「せっかく楽しかったんだから、最後まで楽しい気分で帰ろうよ」 「楽しかった……?」 私は縋りつく思いで訊ねる。 「楽しかったよ。お寿司も美味しかったし」 「……」
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