切な過ぎる立場

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「透子を嫌いなら、俺はここにいないよ」 私は蚊の泣くような小声で、「うん」と応える。 と同時に。 流司の唇が、私の唇に触れた。 1秒にも満たない短いキス――。 だけど一瞬にして、私は幸せな気持ちになっていた。 「ほら、行くぞ」 私は手の甲で涙を拭き、流司のすぐ後ろからホテルの部屋を出た。
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