切な過ぎる立場
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それは7月下旬の暑い日だった。 鬱陶しい梅雨が明けて、輝かしい夏を期待する人も多い時期。 私もほんの少しだけ期待していた。 流司と出会って半年近く経ったし、夏休みには一泊でも旅行に行けたらいいな。 ……なんてことを。 二人で泊まったことは一度もない。 相変わらず、私は流司の家を知らなかった。 流司も私の家に来ようとはしなかった。
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