切な過ぎる立場

22/32
104人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「まぁ順調に予定通りいけば、一ヶ月で退院して、仕事にも復帰できるんだけどさ」 「でも心配よね。それなら旅行どころじゃないし、知らなかったとはいえ能天気でごめんね」 「透子が謝る必要ないよ。話さなかった俺が悪いんだから」 いつもの流司と違って饒舌だった。 私は彼の身の上話に聞き入っていた。 「妹も大学に行きたがってるんだけど、費用がきつくて。でも何とかして行かせてやりたいんだよね」 「そうよね」
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!