切な過ぎる立場

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だから他の女性の存在が、私の前で形を表すことはなかった。 その時までは……。 携帯の大きな音が鳴った時、流司は慌てた。 愛撫の真っ最中だったにも関わらず、彼はベッドを離れて音の方へ向う。 そしてバッグから携帯を取り出すと、バスルームに消えて行った。 裸のまま一人ベッドに取り残された私――。 バスルームから流司の声が微かに聞こえてくる。
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