105人が本棚に入れています
本棚に追加
流司にあっさり断られ、それ以上は粘れなかった。
私が部屋に呼びたいと思ったのは、ホテル代を惜しんだからじゃない。
殺伐としたラブホテルよりも、自分の部屋に来てもらったら、二人の距離が縮まるような気がしたからだ。
「お金のことなんか心配しないで。帰るなんて言わないでよ」
拗ねた言い方になってしまい、自分が情けなくなる。
流司は私を見つめて少しだけ優しい声になる。
「帰らないからさ。そんな泣きそうな顔するなよ」
最初のコメントを投稿しよう!