切な過ぎる立場

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「それは透子には関係ないことだから」 虚しさが私を襲う。 ついさっき、流司は自分の家庭環境について打ち明けてくれた。 そして私は彼の力になりたいと思った。 私たちの心は深く繋がった気さえしたのに……。 そんな私の思いは錯覚だった。 熱を帯びていた身体の火照りは完全に冷めていく。 私は我慢できずに反論した。
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