喪失感と駆け引き

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怒ったり問い詰めたりしなければ良かった。 後悔の念で胸が苦しい。 「透子さん、その通りです! だから私が、オジサンたちと別れる場合の理由は二つです」 自分の感傷に浸っている私を、亜紀が会話に引き戻す。 「二つの理由?」 「ええ。一つは貢いでくれそうもない時。金の切れ目が縁の切れ目、ってヤツです」 「じゃあ、もう一つは?」
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