みっともない男

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堂々と胸を張ることは出来ない恋だけど、自分で自分を卑下するのはやめようと思っていた。 ◆ ◆ ◆ 10月中旬のある日のこと――。 仕事を終えた私は、亜紀と一緒に会社のビルを出た。 その途端、一人の中年男が亜紀の前に飛び出して来る。 「お前、ふざけるな! バカにしやかって!」 亜紀に罵声を浴びせる男は、安っぽいヨレヨレのスーツを着た冴えないサラリーマン……といった風情。
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