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「でも寒くない? 俺、寒いよ」
「じゃあ、手を繋いでいい?」
すでに暗い時間だったし、人も少ない場所だったので、つい私は願望を口走った。
手を繋いだとしても、流司の恥ずかしさは最小限で済むような状況だったから。
ほんの少しでも繋いでくれれば、私の気は晴れたに違いない。
ロマンチックな場所だから、ほんのちょっと夢を見たかっただけ……。
しかし流司は困った顔で言う。
「俺、そういうの苦手だから。もともと遊園地、苦手だし」
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