年齢の壁

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「帰りましょう」と苛立ちをぶつけてしまった私に、流司はもう一度謝った。 「ごめん、俺が悪かった」 そう言うとすぐ、私の手を握って歩き出した。 手を繋ぎながら無言で歩く私たち……。 私は気まずくて何を話せば良いのか分からず、そのまま黙って歩き続ける。 流司は謝ってくれたし、ちゃんと手も繋いでくれた。 彼が折れてくれたおかげで、喧嘩にならなかったことに安心する。 だけど安心した反面、私はとても落ち込んでいた。
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