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お金を払えば何をしても良いという感情を、たとえ一瞬でも抱いてしまった自分が嫌でたまらなかった。
それは『お客』だからと偉そうに振舞ったり、我儘を言ったりする行為と同じ。
いたたまれなくなった私は流司に告げる。
「おみやげ見たいから、カフェで待っててくれる?」
「一人で? 一緒に見ようよ」
「でも私、時間がかかると思うから。一人でゆっくり見たいの」
「わかった。じゃあ俺、カフェで待ってるから、ゆっくり見てきなよ」
流司は言いながら、ホッとしたような様子だった。
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