お金のケジメ

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それは充分に分かっていたが、決心は変わりそうになかった。 ただ、このお金を渡したあとの、二度目はないと決意していた。 たとえば一年後。 もし流司から再び催促されたとしても、その時はきっぱり拒絶するつもりだった。 この決心は、あらゆる意味で、自分に対するケジメ。 そして次に流司と会った時、その決心を実行するつもりでいた。 ◆ ◆ ◆ しかし12月は、私の予想をはるかに超えて忙しかった。 長谷川さんからの依頼が連続して来るようになり、一つ一つ締め切りに間に合わせるため必死で。 何度か徹夜の日もあった。
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