白い薔薇の花言葉

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ニセコ町東山地区には沢山の温泉施設やホテルが立ち並んでいる。 銀色の刺繍が入ったサマードレスを纏い、私はフィガロの助手席に母を乗せ東山の温泉旅館へと向かっていた。 「今朝急いで作ったから、少し形がいびつになっちゃったけど・・・。 でも、とにかく間に合って良かったわ。」 白い箱に入ったブーケを抱え、母は嬉しそうに微笑んでいる。 まるで、自分の娘や息子がこれから結婚するかのように・・・。 「大丈夫だよ! きっと2人とも喜んでくれるから。」 目の前に広がる夏のニセコの大自然を視界に入れ、私は2人の笑顔を思い浮かべながらそう答えた。 「2人によろしく言っておいてね! 都那も・・・、頑張ってらっしゃい。」 「うん・・・。」
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