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― 桜が舞う…生暖かい風が桜の木を揺らす… ―
―4月
この日は入学式、皆が新しい友達と笑いながら校門を通る…
そこに独り…笑顔で笑いあってる人達を睨みながら歩いて行く少女がいた…
皆彼女を避けて歩いている…
彼女は俺から見るとただ可哀想な少女にしか見えない…
(あいつらには化け物に見えてんのか?)
目を細めながら彼女を見てると、隣にいた五月蝿いバカが腕を引っ張る、
「祐雅ー、早くクラス表見にいこーぜっ!」
「あ゛ー!!もう分かったから離せっ馬鹿彰っ!」
彰(あきら)は幼なじみでいつも一緒にいる、高校まで一緒になった…
「絶っ対に高校で彼女作ってやるーっ!!今度はお前に勝ってやるっ!!」
はぁ…
呆れたものだ…
確かに中学時代告白はされた、でも付き合ったことは一度もない…
(女って、なんか面倒臭いし…)
話しながら歩いているとクラス表が貼ってある掲示板が見えてきた…
辺りには沢山の人が集まっている…
その中にさっきの少女がいた…
「ぷっ…www」
(何あの子、面白過ぎるっwww)
よく見ると少女は掲示板が見えないのか、一生懸命背伸びをして見ようとしている
「ん…?何見てんの祐雅」
彰が首を傾げた、
「何でもないっ!!」
ふ~ん、と彰は目を細めて言った、
「あ、俺ら同じ組みだー」
掲示板を指差してニカッと笑った
「はいはい…良かったですね…」
さらっと受け流すと彰がなんだよぉーと言って肩を叩いてきた、
痛い痛いと笑うと、視界にまだ背伸びしている彼女がいた…
「ちょっと先行ってて…」
走って彼女の所へ向かった…
「あ、祐雅っ!!」
後ろで彰が俺の名前を呼ぶのが聞こえたが走った…
「なぁ、君…」
彼女は振り向くと「何…?」と返してきた、意を決して聞いてみた、
「見えないの?」
彼女は真っ赤になりながら
「ち、違うっ!!」
そう言って走って校舎へ入っていった…
ふ…、かわいい子…
「おーいっ!!祐雅ー早く行こうぜーっ」
彰が走ってきた
「先行ってろって言っただろ」
「良いじゃんかー別にー」とぶーっと頬を膨らませた
「ほら行くぞー」
「あっ待て祐雅ーっ!!」
なんか面白い学校生活が始まりそうな予感っ
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