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巨大なビルは全て紫色の結晶で覆われている。そう、今この街は滅びようとしている。結晶は地面にまで侵食している。
辺りを見回すと、結晶に侵食されたビルとビルの隙間に何体ものロボットが何かを攻撃していた。
目の前にはその中の一体がこちらを向いている。遠隔操作ロボ〈ジェネレイド〉がこちらに向かって歩き出した。
傍らには僕と同じくらいの年の少女が寄り添っている。
「ねぇ」
隣の少女に僕は訊ねる。
「何?」
少女は僕の質問の続きを訊ねた。
「これから君の過去、それも君の思い出したくない過去を見る。もし君がそれを見られてもいいのなら――」
僕は少女の目をしっかりと見て言った。
――僕に力を貸してくれ!
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