1章 罪を扱う少年

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先生はため息をついて僕と鈴を中に入るように促す。僕と鈴は促されるまま自分の机に足を運び、座った。 「桜花と音折はまたいつもの場所にいたのか?」 「あ、はい!そうです!」 僕は先生の問いに答えた。 「部活に熱心なのはいいが、この時間までにはきっかり余裕を持って終わらせて来いよ?」 「はい……。すみません」 「わかればよろしい。さて、今日の連絡だが……」 先生は連絡事項を話し出した。だが僕の頭の中はアニメーションの事ばかりを考えていた。別にアニメが好きなわけではなく、今の時代PCを使えないとろくな就職ができないのだ。 「あそこの動きはああして……ブツブツ……」 「こら桜花!声に出てるぞ!」 「あ、すみません!」 謝ったものの思考はアニメーションでいっぱいである。 アニメーション部は期限までに間に合わないと校長直々の説教をさせられるので、必ず期限までに間に合わせないといけない。 「はい、連絡は以上だ。これでHRを終わる」 教室内はいつものようにざわつき始める。そんな中僕は鞄を枕にして寝ようとする。 ……しかし再び目の前に鈴が現れる。 「また来たの?今度はなんだい」 「煉。私今日の放課後行けなくなっちゃった。ごめんね?」 「また学級委員の仕事?」 「うん」 「それなら仕方ないな。僕が今日鈴の分も終わらせておくよ」 「本当!?ありがとう!」 鈴はポケットから携帯用小型TPC(略してSTPC)を取り出し、それを操作する。 STPCには普通のTPCのように高性能ではなく、電話、メール、ネット検索しかすることができない。アニメーションを作るのには容量が小さすぎるのだ。 鈴はSTPCを操作して鈴が担当していか箇所のアニメーションの圧縮ファイルを僕には送ってきた。 「送ったよ!煉、本当にごめんね?」 「大丈夫だよ。鈴もあまり気にしないで」 「う、うん」
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